2015.09.09
日本では昔から奇数は陽の数字とされ、なかでも一の位の最大である「九」が重なる9月9日は陽が重なるのでめでたい日とされ「重陽の節句」として呼ばれ、お祝いしました。
宮中では、端午の節句(5月5日)につけられた薬玉を、重陽の節句に菊花と呉茱萸の入った袋と取りかえる行事がありました。また、中国では古くに女性が呉茱萸の袋を身につける習慣があったそうです。
「重陽の節句」は「菊の節句」とも呼ばれています。中国では九の日に邪気を祓うため、菊の花を飾り、菊花酒を飲む習慣があり、それが日本に入ってきたようです。気品のある菊の花の香りは邪気を祓い寿命を延ばすと考えられていたようです。実際に菊花には、頭や目の熱をとり、スッキリさせたり、また解毒作用や熱性の頭痛や結膜炎、めまい、皮膚炎、風邪などに使用される生薬です。
菊の花を枕に入れて菊枕を作ったり、プーアール茶に菊花をいれて菊普茶(コッポウ茶)として飲む習慣がありますが、夏の暑さの名残を取り除くためにも最適と言えます。